「米軍基地問題問題」が発生する理由

はじめまして、私はモバイルプリンスです。沖縄生まれ、沖縄育ち、沖縄在住の31歳です。
このはてなブログでは、主に沖縄のことを書きます。

 

自分のブログや各種SNSアカウントなど、アウトプット手段は複数ありますが、沖縄に特化したブログを作ることで視認性が良くなればと思っています。

 

私は普段、スマートフォンアドバイザーとして活動しています。
(公的機関がライセンスを発行しているわけではないので、あくまで自称です)
ざっくりいうと、地方で「スマートフォンの専門家」として、関連するお仕事に呼んでもらっては生活費を稼ぐ。そうしたスタイルで4年半やっています。

少し自慢になりますが、2018年2月には「沖縄県警 サイバー防犯PR大使」として任命されました。沖縄県のサイバー防犯を事前に食い止められるよう、犯罪の手口を啓発するなど、沖縄県警の皆様と一緒に、試行錯誤をしております。

現状、スマートフォンとインターネットは切っても切り離せないものになっており、当然ネットの適切な使い方も多くの人に伝えなければなりません。
スマートフォンの操作方法や適切な機種選びをレクチャーすると同時に、ネットでのマナーや、「情報を見抜く」コツの啓発にも力を入れています。

本題に入ります。今、私の住んでいる沖縄県では「米軍基地問題問題」が発生しています。
「米軍基地問題」を間違った認識でとらえられている「問題」が発生しているという、私の造語です。

皆様もご存知のように、沖縄県には在日米軍基地が集中しています。
その中でも、宜野湾市にあるアメリ海兵隊普天間飛行場を、名護市辺野古海上へ移設するかどうかについて、こうちゃく状態が続いているのです。

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(写真は普天間飛行場。撮影は嘉数高台公園より)

移設を容認する人、反対する人、まだ決めかねている人、考えはそれぞれあるかと思います。異なる考えをみんなで知恵を出して、頑張って擦り寄せて、より多くの人が納得する落とし所を見つける必要があると思います。

しかしながら現在では議論をし、みんなで考えるという土台が全く整っていないのが現状です。

 

その理由に関して、3つの理由があると私は考えています。

 

1.問題の角度が多すぎる

この普天間移設問題に関しては、「国防の問題」と考える人もいれば、「沖縄の自己決定権の問題」と考える人、さらには「経済の問題」、「生活の問題」と様々な立場からの是非があるでしょう。

国防の問題と捉えている人は「県が決める事ではないから、国が作りたいところに作るだけ」と考えますし、沖縄の自己決定権の問題と捉える人は「防衛のため基地は必要でも、沖縄の負担がでかすぎないか?」と考えているのです。

同じ問題でも、見ている角度によって風景が違う。そのため、議論しようにも噛み合わないのです。

 

2.問題が長期化し複雑になった
普天間返還、辺野古移設の案が出てから20年以上経っています。この間、首相・沖縄県知事宜野湾市長・名護市長が目まぐるしく変化し、移設の条件なども変化がありました。普天間問題を真剣に考えようとすると、相当な量の知識が求められます。

また「沖縄の自己決定権の問題」と捉える人からすると、琉球処分、太平洋戦争、アメリカの統治時代、日本復帰などなど...ずっと続いている「沖縄の雑な取り扱い問題」の一部だと考えるため、沖縄に関する歴史「130年分」くらいの勉強が必要になります。

戦中・戦後の激動の時代を生き、肌感覚で様々な問題を感じている沖縄の中高年と、生まれた時から基地の存在が当たり前で、アイデンティティーが日本本土と一体化しつつある沖縄の若い世代では、捉え方が変わるのは当たり前です。

問題が長期化した事により議論の前提となる情報が増え、また世代間や問題意識の差により情報格差が生まれ、その結果話し合いが困難になっています。

 

3.デマゴギー、扇動者の登場
ややこしい問題に追い打ちをかけるのが、ネット時代になって登場した「デマゴギーです。
この人「たち」は、ただでさえ難しいこの問題に、デマや不確かな情報、陰謀論、あるいは枝葉の問題を持ち込んで、本筋の議論を停滞させています。

例えば「基地に反対をしている人たちは、お金をもらっている問題」です。

この話は「反対の座り込みをすると日当数万円がもらえる。だから本当は賛成なんだけど、生活のために反対しているんだ」としたものです。

しかしながら、日当の確固たる証拠、名前を出しての証言などは出てきません。
しまいには「在沖米軍を追い出したい中国共産党がお金を出している」といった話にも発展。そこから「基地反対派は中国のスパイ」デマや、「普天間基地が無くなると中国が侵略してくる」陰謀論が出来上がります。

最近では、「日当疑惑」を正当化する形で、「(市民団体)のりこえねっとが5万円を支給している!」「日本共産党がガソリン代として1万円を支給している!」などと言った声があがります。
しかしながら、のりこえねっとが支給する5万円は、東京から沖縄までの交通費、宿泊費、その他経費です。沖縄レポートなども課せられています。ましてや行きたい人全てに支給されるわけではありません。

当初の出発点「本当は賛成だけどお金のために反対やっている」との整合性を考えましょう。移設賛成している人が、経費ギリギリ5万円をもらうために、のりこえねっとにコンタクトをとると思いますか?
本当は移設賛成している人たちが、日本共産党からガソリン代もらいたいために反対を装うと思いますか?

日当疑惑を正当化したい人たちの間でいつからか「お金をもらってたらデマじゃない!」となっているのかもしれませんが、当初の出発点を考えれば相当に苦しい、詭弁と呼べる反論でしょう。

ここまで長々と「日当疑惑」に関して書きましたが、これも本来は枝葉の話です。
優先度の高い、本筋の話はもっともっとあります。

しかしながらデマゴギーの人たちが、こうした枝葉となる不確かな話題を「まきびし」のようにばら撒き、それらをカウンターとして言論空間で長々と訂正しないといけないため、前に進むことができないのです。

 

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(写真はキャンプフォスター。撮影はあやかりの杜より)

デマや不確かな情報は「右」や「左」などではなく、「下」であると私は考えます。
議論を停滞させ、大事な本質をぼやけさせ、最後はみんなが消耗して問題を考えることを嫌にさせるでしょう。

 

以上、「沖縄基地問題問題」が発生している3つの理由を私なりにまとめてみました。

 

情報教育に携わるものとして、沖縄を愛するものとして、皆様と一緒にデマや不確かな情報をどうにか訂正、修正していければと思います。

これからこのブログのコメント欄や、ブックマークなどで私自身も色んな意見に触れられればと思います。引き続き宜しくお願いいたします。

 

最後に、長々とした文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。